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コラム

多様化する容器のニーズに応える設備戦略

最終更新日:2024.09.05多品種異形状の容器成形

近年、急速に変化し続ける消費者のライフスタイルにより、ブランドオーナー各社の容器に対するニーズが多様化しています。
こうした変化に対応するため、容器メーカー様が今取り組むべきテーマについて考察します。

研究開発の速度向上

容器の種類は、缶、ビン、ペット容器など幅広く存在し、さらに用途によって細分化されます。
用途には飲料や食品をはじめ、日用品、化粧品、医薬品などの保存・包装があります。
同じ用途でも消費者のニーズによって求められる素材や形状、機能が異なります。

細分化するニーズに対応するためには、容器の研究開発速度を向上させることが求められます。

お客様からいただく案件・要望への対応

顧客であるブランドオーナー各社の要望に対し、迅速且つ柔軟に応え、変わらずパートナーとして選ばれ続けるためには、研究開発の対応力の強化が有効と考えます。

一方で、求められる機能・性能・デザイン性など、様々な要件に応えるには、多くの時間を要することが実情です。

特に、ペット容器の研究開発では、一連の型替え作業や様々なパラメーターの調整など、多くの時間を取られる工程があります。

多様化したニーズに対応していくためには、こうした研究開発のボトルネックを解消することが重要です。

環境への対応

近年、環境への配慮として脱プラスチックの論調が強まっています。一方で容器においてプラスチックを他の材料に完全に置き換えることは難しいという現実があります。

そこで、社会的要請に応えるため、環境に配慮した樹脂製品に対する研究開発への機運が高まっています。これはブランドオーナー各社のニーズとも合致します。

バイオマスプラスチックの導入

バイオマスプラスチックは、植物などの有機性資源から作られたプラスチックです。
日本では、プラスチック資源循環戦略により、2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入することを目指しています。

しかし、バイオマスプラスチックは原材料が生物に由来するもののため、原料となる植物の種類や産地によって成分や品質にばらつきが生じます。
そのため、安定した容器製造のためには研究開発時に試行錯誤が必要であり、使用する材料の条件・状態毎にパラメーター調整が必要です。

リサイクル可能な容器の開発

リサイクル性の高いプラスチック容器の開発も、環境対応の重要なテーマです。

プラスチックのリサイクルにおいて先行している欧州では、欧州プラスチック戦略によって、2030年までにすべてのプラスチック容器をリユースまたはリサイクル可能なものとする目標を掲げています。
日本でも、プラスチック資源循環戦略では2030年までに包装容器の6割をリユース・リサイクルし、2035年までに使用済みプラスチックを100%リユース・リサイクルなどで有効活用することを目指しています。

現在、日本におけるプラスチックのリサイクル率は約20%にとどまっています。
そのうち、有効利用されているものは約80%ですが、その約70%が焼却してエネルギーとして利用する熱回収となっています。
熱回収は資源の循環とは言えず、また焼却によりCO2が発生するため、脱炭素・カーボンニュートラルの観点からも課題になります。

一方、ペットボトルに限ると日本でのリサイクル率は80%以上であり、世界最高水準です。
このような点を加味して、現在熱回収されている素材をリサイクル可能なペットボトルや容器に置き換えるなど、ペット素材から環境保全に貢献できる点を研究開発で模索していくことは非常に有効です。

環境に配慮したペットボトルや容器の開発は、持続可能な社会を実現するための効果的な取り組みと言えます。
それらの活動について製品を通し対外的に示すことで、環境面での社会的責務を果たしながら、顧客への貢献を実現できるのではないかと思います。

多品種小ロット生産

社会ニーズの多様化に伴い、多品種小ロット生産が増加することは必然と考えます。
多様な種類の容器の生産が求められる場合、需要に応じて必要な分だけ製造することで、無駄を減らし、環境にも配慮できます。

さらに、小ロット生産の体制を整えることで、小ロットのテストマーケティングから、それに続く本格的な量産までを一気通貫で対応可能になります。
これにより、様々なビジネスチャンスをつかむことにも繋がります。

ただし、多品種小ロット生産の場合、型替えに要する「生産しない時間」のロス(=製造コストへの影響)が課題になります。

そのため、型替え時の時間ロスを減らす方策が必要になります。

今後の見通し

市場の細分化に伴い、ニーズに応えられる樹脂容器の多品種小ロット対応力は、企業の競争力を生み出します。
また、社会的要請として環境対応も求められており、研究開発の重要性はさらに高まっています。

今後は自動化・省力化機能を持つ最新の設備の導入による、製造工程の効率化を進めることで競争力を高め、新たなビジネスチャンスを見出しながらも、環境に配慮した製品の開発で持続可能な社会に貢献することが設備戦略上、重要になると考えます。

課題を解決するブロー成形機 FlexbBlow

今後の容器製造の課題を解決するブロー成形機として、FlexBlowを紹介します。

FlexBlowは通常X時間掛かる型替えが、わずか15~30分の短時間で完了します。

さらに、環境に配慮した再生材は勿論、ポリプロピレンや様々なプリフォームに対応。容量:20mL~10L、口部:18mm~120mmといった幅広い種類の容器成形を可能としています。

1台で多品種・異形状の容器を小ロットで生産できるFlexblowは、多様化する容器のニーズに応える設備戦略上の切り札となり得るお勧めの設備です。

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