デザイン性の高いペットボトルの造り方
最終更新日:2023.08.31ペットボトルデザイン
飲料製品にとってペットボトルのデザインは、印象を大きく左右する要素の一つといえます。かつては、ペットボトルのデザインは画一的なものでしたが、近年では目を楽しませ話題性も生む様々なデザインのペットボトルが登場しています。
そうしたボトルははどのように造られるものなのでしょう?
凝ったデザイン性の高いペットボトルがどのように造られるのか、そのためには何が必要かお話いたします。
ペットボトルのデザインを含めた飲料製品デザインのポイント
ペットボトルの形状が従来とは異なるとはいえ、基本的な飲料製品デザインの流れとは大きく変わりません。ただし、ペットボトルの形状によって、消費者に対して与える印象を変えることができると思います。
御社の飲料製品のブランドイメージに合うような表現方針を考えると良いでしょう。
どんな形状のペットボトルが製造できるのか
ボトルデザインのバリエーションは、丸みのある形状や角ばったものなど様々あり、肩の位置の高さなどを変えることが可能です。また、ひねりを加えたり、ボトルの表面に模様を入れたりすることで、高い意匠性・芸術性を持ったボトルデザインが実現できます。
Point
量産を完全に無視するのであれば、より自由度の高いデザインを行うことも可能です。ただし、大量販売向けにはならず、単価が非常に高くなることから一般的な製品のペットボトルとしは不向きです。
ラベルデザインはどうなる?
ペットボトルのデザインと言えば、従来はラベルデザインが中心でした。しかしペットボトルの意匠性・表現力が高まること、また昨今の環境保護の機運からもラベルの位置づけや役割は今後次第に変わってくるもものと思われます。
例えば、ペットボトルの形状や表面の模様のデザインに凝ることができることで、ラベルの面積を縮小し工夫したペットボトルそのもののデザインをよく見せる仕様にする商品が増えています。
環境対応とも相性が良い
ペットボトルのデザイン性が高まることは、プラスチックごみの削減にも繋がります。多くの企業や消費者に環境への配慮という意識が広まっており、ラベル面積を縮小したペットボトル製品が増える理由の一つでもあります。
ボトルの形状・デザインで考慮すべきこと
ペットボトルは言うまでもなく、飲料を充填・保管・持ち運びする液体容器です。尖ったデザインをしても良いのですが、機能性に支障があると困ります。
充填する飲料に適した仕様
ペットボトルには用途毎に基本の形があり、充填する飲料とその方法によって適した仕様を考慮してデザインする必要があります。簡単にポイントをまとめます。
耐熱用ボトル
高温殺菌する飲料やあたたかい飲み物を充填する際は、耐熱用ボトルが用いられます。
耐熱用ボトルでは中の飲料が冷えた際に圧力が低下し凹む性質があることから、減圧吸収パネルを用いて対策をします。また、ノズル口部は熱に耐えられるよう、樹脂を結晶化処理するため白色になることが一般です。
耐圧用ボトル
炭酸水などでは耐圧用ボトルを用います。形状に対する制約としては、炭酸飲料はボトルの底部が5つに分かれたペタロイド形状とすることで耐圧性を持たせます。また、圧力が容器内でできるだけ均一に掛かるように、丸みを帯びた形状でデザインする必要があります。ただし、近年では技術の向上により耐圧用ボトルであっても凝ったボトルデザインの炭酸飲料が登場しています。
耐熱圧用ボトル
炭酸飲料かつ、中味が熱殺菌を要する飲料の場合に用いられます。
耐圧用ボトルとの差異は、ノズル口部を熱に耐えられるよう樹脂を結晶化処理しており、白色である点です。
無菌充填ボトル
ミネラルウォーター、お茶、スポーツドリンクなどに使用される無菌充填用ボトルは、炭酸による内圧や熱への耐性の考慮が不要なため、より自由度が高い形状の加工や軽量化(薄肉化)が進んでいます。
使い心地の考慮
尖ったデザインを行うことで注目を集める/差異化できる可能性がありますが、ただし使い心地を損なうデザインをしないように配慮する必要があるかと思います。
ユニバーサルデザイン対応や、トラブルの防止
ペットボトルは様々な人が利用するものであり、握力の弱い人のためにキャップを開けやすい肩部分の工夫や、子供が飲料を飲む際に持ちやすいボトル形状など、ターゲットに合わせた配慮が必要です。 掴みやすいか、開ける際に握り込むことで中味が飛び出すことが無いか等、注意する必要があるでしょう。
デザイン性の高いペットボトルの製造(形状の実現)
ペットボトルのデザインを行う際には、まずイメージを共有いただき、ヒアリングしながら具体的なカタチに落とし込んでいきます。
それを元に3D CADによる形状デザインを行い、イメージをご確認いただくこともあります。そうした過程を経て実現可能な仕様にまとめ、その形状のペットボトルを製造するための金型を製作することになります。
デザイン性の高いペットボトルを成形する金型について
ペットボトル飲料の金型は、その飲料の量産に用いることが前提であり、安定した品質で希望のデザインを実現できるものである必要があります。
金型の質は転写性の高さや成形不良の有無といった、ペットボトル完成時の仕上がりに関わります。
さらに、複雑すぎる形状は高速のブロー成形に不向きな場合があり、製造時の金型をトータルで見据えてデザインを行うことが重要です。
また、新製品の発売に間に合うよう納期の把握も大切です。
まとめ
デザイン性の高いペットボトルを造るには、デザイン性の高いペットボトル製造に関するノウハウを持つ会社と相談しながら、お客様の思い描くコンセプトをどのように実現できるのかすり合わせを行い、3Dのイメージで仕様を固めていく必要があります。
そのイメージをペットボトル用ブロー成形金型製作の高い技術力で実現する必要があり、これをワンストップで行える会社にご依頼いただくことをお勧めいたします。
弊社はペットボトルデザインにはじまり金型、プリフォーム、そしてブロー成形機を中心としたミネラルウォーターラインのご提供が可能です。お客様の飲料ビジネスのトータルソリューションプロバイダーとしてご支援をさせて頂きます。
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